平成30年9月定例県議会 発言内容(寺沢功希議員)
◆寺沢功希
先日、県教委が現在取りまとめている2017年度のいじめ認知件数調査において、県内の複数校でいじめの定義を狭く解釈していたとの報道がありました。県教委が積極的に認知を進める内容に、ことし3月に改定した県いじめ防止等のための基本的な方針に沿って実施したにもかかわらず、この調査で認知件数がゼロ件とした公立小中学校のうち、児童生徒数が多い小学校5校、中学校2校について心の支援課職員が学校を訪ね、校長先生らから状況を聞き取ったところ、全てをいじめと認知すると膨大な件数になる。軽微なものと重篤なものが同等に扱われることに抵抗感があったなどの理由から、法律の定義に沿わない独自基準を適用していたとありました。
そこで、このいじめ認知件数調査は、県独自のものではなく、国からの依頼があっての調査ということでよろしいでしょうか。また、今回の抽出調査も県教委が疑問を持っての調査ではなく、国からの依頼ということでよろしいでしょうか。
今回、いじめの定義を狭く解釈していたとのことですが、改めていじめの定義とはどのようなものとされているのでしょうか。また、狭く解釈とは一体どのように解釈していたのでしょうか。
今回抽出された7校は、聞き取り調査の結果、本来の定義とした場合、結果はどう変わったのでしょうか。
いじめ認知件数調査のいじめの定義は、昭和61年度、平成6年度、平成18年度、そして、いじめ防止対策推進法の施行に伴い平成25年度から現在の定義へと変遷しているにもかかわらず、現場がこのような状況では、10年以上も認識が変わっていなかったと言えます。このような認識では的確な判断、対応ができるはずがありません。現場の意識改善を図っていく必要があると思います。
一方で、今回の調査の現状がわかった以上、当然に何らかの対応が必要であると思いますが、その上で、ただ単に結果を国に報告するだけでは意味がありません。調査により、正確な情報をもとに状況を把握した上で子供たちのケアや防止策を講じる必要もあります。それぞれにどのような取り組みをし、調査結果をどのように生かしていくお考えでしょうか。
以上、教育長にお聞きします。
また、いじめ問題への取り組みは県教委だけでは限界があります。知事がリーダーシップを発揮して取り組む必要があると思います。現在、県と市町村の総合教育懇談会においていじめ問題を協議されていますが、例えば総合教育会議においても議論をするなど、このような場を活用し、知事の思いを県教委と共有し、調査結果を踏まえ、県全体としていじめ問題に対し受け身ではない取り組みが必要だと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
いじめ問題に関しての御質問でございます。
まず、いじめの認知件数調査及び抽出調査についてであります。
このいじめ認知件数の調査でございますが、これは、国が実施する児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査でございまして、県内の公立小中高、特別支援学校の状況を県教育委員会が取りまとめ、国に報告するものであります。
一方、今回の抽出調査は、本年3月に改定いたしました長野県いじめ防止等のための基本的な方針に基づきまして県教育委員会の担当課が独自に実施したものであります。
次に、いじめの定義、解釈についてであります。
いじめ防止対策推進法において定義されておりますが、いじめとは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものというふうに定義されているところであります。
このいじめ防止対策推進法に基づきまして、国ではいじめの防止等のための基本的な方針というものを作成、制定しております。これが平成29年3月に改定されまして、それまでは、いじめについてはけんかは除くというふうにされておりましたけれども、改定により、けんかやふざけ合いであっても、見えないところで被害が発生している場合もあるというふうにされまして、この問題行動調査においても同様の内容が調査の手引きに記載されたところであります。
今回聞き取りした学校では、1回限りのけんかやふざけ合いについてはいじめとして報告しなかったとした学校もあり、この基本的な方針の改定に基づいたいじめの認知がなされていないケースがあるということがわかったところであります。
本来の定義とした場合の調査結果というお尋ねでございますけれども、この訪問した際に、そのような実態のある学校についてはこの基本方針に即した認知とするよう指導したところであります。当該学校では、この指導を踏まえまして、学校生活に関するアンケートのうち、いじめに関する記載については校長が全件確認し、いじめの認知をするでありますとか、ささいなもの、1回限りと考えられるものについてもいじめと認知した上で担任等が適切な指導を行う等の対応をとるということとしておりまして、今後は法に基づいた正確な認知が行われるというふうに考えているところであります。
調査結果を生かした取り組みでございますけれども、今回の抽出調査の結果を踏まえ、これを重く見ました。そして、本年度の長野県いじめ問題対策連絡協議会で議論を重ねて、法の定義に基づいた正確な認知やその後の適切な対処についての指導を徹底するための新たな研修資料を作成したところであります。この資料を活用しまして、いじめの認知件数というのはイコール子供たちの発するSOSの認知件数だというふうに捉えて、どんな小さないじめの芽も見逃さない積極的な認知こそが学校全体でいじめ問題に対応するための第一歩であるという認識を県内全ての学校で共有し、取り組んでいくよう指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上であります。
いじめ問題に対する取り組みについての御質問であります。知事としてリーダーシップを発揮して取り組むことが必要ではないかという御質問でございます。
去る5月29日に県と市町村との総合教育懇談会を開催いたしました。これは、私も市町村長も、そして県教委も市町村教委の代表者も参加をしているわけでありますけれども、ここでいじめの問題について議論を行いました。いじめの積極的な認知が重要であるという共通の認識はできたわけでありますけれども、私はその最後の場でこうしたことを申し上げました。これから解決のためにどうしていくのかということが重要だ。要は、認知のところはまだまだ入り口の話でありますので、そこのところだけで解決するわけではありません。解決をどうしていくのかということをしっかり考えていく必要があるということ、それから、学校だけの責任にしてはいけないという観点で、事象は学校で起きていても原因は学校だけにとどまらない。社会的な問題という認識で考えなければいけない。そして、さらにはいじめる側へのサポートも検討していかなければいけない。表面的、一時的に抑え込んでも解決にはならない。心のよりどころとして存在できる大人を見つけられるように支援することが大事。実態を把握した上で深く考えていきたい。これは私が結びの場面で発言した内容であります。
いじめの問題は、とかく学校が抱え込んでしまいがちでありますが、私は、今申し上げたように、学校に起因する問題のみならず、例えば、いじめを行う子供の問題というのは実は学校以外に課題がある場合もあります。そうしたことを考えると、このいじめ問題への解決ということを学校の枠内だけで解決しようとしてしまうとどうしても無理が生じる場合があるんじゃないか。もちろん、学校のみで解決できる場合もあると思いますけれども、必ずしもそうではないのではないかというふうに思っております。
そういう意味で、教育委員会は教育委員会として責任を持ってしっかり取り組んでいただく必要はありますけれども、しかしながら、ほかの関係部局挙げて、あるいは地域の皆さんや市町村の皆さんと連携して対応すべき部分も相当あるのではないかというふうに思っております。
実際、茅野市におきましては、教育委員会と福祉部局の連携によりましてこども・家庭総合支援拠点「育ちあいちの」というものを設置されているようであります。学校でいじめ事案が発生した際は、保健師、臨床心理士、スクールソーシャルワーカー、子ども家庭支援員等で構成する支援会議を即座に招集し、対応する体制をとっているというふうに伺っております。
現在、県として、信州子どもサポート、仮称でありますが、課題を有する子供や御家庭を早期に把握して適切な支援機関につなげていくことができるような体制づくりを検討しているところであります。茅野市の取り組み等も参考とさせていただきながら、このいじめの問題に対しまして、学校だけでなく社会全体で対応することができるように取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
学校が、家庭が、そして地域が細かなことも見逃さない認識を持って取り組める、今後もそんな施策に期待をいたします。
次に、高等学校の入試制度について教育長にお聞きします。
6月議会でも取り上げましたが、改めて高等学校の入学者選抜における合否判定の方法についてお聞かせください。また、判定の際、縦軸に45点満点の評定点、横軸に500点満点の当日点とした座標に受験生それぞれをプロットし、そこに合格ラインを引き、受験生の名前もわからないようにして数値のみで判断していると聞きますが、事実として捉えてよろしいでしょうか。
高校入試に関する御質問でございます。
まず、合否判定の方法についてというお尋ねであります。
長野県の高等学校入学者選抜におきましては、毎年、選抜要綱を定め、その要綱にのっとって各高校が選抜を行っているところであります。前期選抜においては、中学校から提出された調査書、面接の内容及び志願理由書等を資料として総合的に合否を判定しています。また、後期選抜においては、調査書、学力検査の成績を資料とし、一部の学校では面接、作文等を含め総合的に合否を判定しているところであります。
この後期選抜で数値のみで合否を判断しているかというお尋ねでございますが、後期選抜においては、全受験者について調査書の評定合計値と学力検査の合計値を用いて作成した相関図に加えまして、学力検査の各教科における得点、調査書にあります各教科の評定及び全ての記載事項を用いておりまして、数値のみで判断しているものではありません。
ということは、教科別得点や調査書等を用いて総合的に判断しているのは、ボーダーライン上の受験生のみではなく、全受験生に対し全て用いて総合的に判断するということでよろしいでしょうか。再度、教育長にお聞きします。
定期テストで100点をとっても5にならない。頑張って96点まで上げたのに3のままだと現在の評定に子供たちは疑問を持っています。また、入学者選抜の際も、同じ評定4でも、観点別評価で各項目が平均的な4なのか、何かの項目が突出しての4なのか、高校側が判断できないと思います。このほど、中央教育審議会のワーキンググループで、教科ごとに数値評価する評定をなくすべきかどうかが議論され、多くの有識者は、廃止し、観点別評価だけにすべきとの立場をとりましたが、この点についてのお考えをお聞きします。
6月議会の答弁で、新たな入学選抜制度は、中学までに身につけた学力を含めた多様な資質・能力を適切に評価することができる制度とするとした検討委員会の報告書の趣旨を踏まえて検討するとされましたが、具体的にはどのような方法が考えられるのでしょうか。
以上、教育長にお聞きします。
まず、総合的な判断は全ての受験生に対してかという再質問でございますが、特定の受験者だけではなく全受験者について調査書の評定合計値と学力検査の合計値を用いて作成した相関図に加えまして、学力検査の各教科における得点、調査書の各教科の評定及び全ての記載事項を用いて一人一人の受験生に対して慎重な審議をしているところでございます。
次に、中教審ワーキンググループの意見に対する考えについてでございます。
中学校の指導要録における各教科の学習評価は、関心・意欲・態度、それから思考・判断・表現、そして技能及び知識・理解、この4観点についてA、B、Cの3段階で示す、これを観点別評価と申します。それと、これらを総括して5段階の数値で示す、これを評定と申しますが、この評定で行っているところでございます。中教審のワーキンググループでは、今後検討すべき論点の一つとして、評定よりも観点別評価のほうが有効などとして評定をなくすべきだという御意見と、学習状況を全体的に把握できるなどとして評定を引き続き位置づけるべきだという意見が示される中、この評定の必要性について議論されているところであります。仮に評定が廃止された場合には、高校入試だけでなくさまざまに影響が生じます。年内にはワーキンググループの報告が出される予定と聞いておりますので、今後も国の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。
それから、新たな入学者選抜制度についてのお尋ねであります。
本年3月に提出されました長野県高等学校入学者選抜制度等検討委員会の報告書におきましては、受検者にとって公平かつ適正な制度であること、中学校までに身につけた学力を含めた多様な資質、能力を適切に評価することができる制度であること、そして、学力については、その3要素である知識・技能、思考力・判断力・表現力等及び主体的に学力に取り組む態度を適切に評価するとともに、各高等学校の特色に応じた入学者選抜を行うといった基本的な考え方を報告いただいております。多様な資質、能力を適切に評価するためには、学力検査に加えまして、面接等の学力検査以外の検査でありますとか学校独自の特色ある検査が必要であるといったこと、あるいは英語の4技能のうち話す力も評価できる制度が望ましいという報告もいただいています。他の都道府県では、面接、作文あるいは小論文など学力検査以外の検査を課しているところがあります。
こういった報告、そして他県の状況等をさまざま勘案しながら、高校生に求められる資質、能力が大きく変化している中で、これからの時代にふさわしい入学者選抜となるよう現在制度の検討を進めているところでございます。
先日、全国で入学者選抜での採点ミスが多発しているという報道がありました。確かに、試験から合格発表まで1週間程度と短期間であり、大変過密なスケジュールであります。新たな制度は、このような状況の中においても的確な判断ができ、また頑張った子供たちが報われる制度となることを期待いたします。
次に、知事におかれましては、7月に安曇野市で行われました教育、子育て、学びについての知事との意見交換会にお忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございました。その際に出された2項目の御意見について知事にお聞きします。
参加されておられた信州型自然保育に認定された認可外保育施設の園長先生と保護者の方から、来年10月より実施予定の幼児教育・保育の無償化に対する不安の意見が出されました。昨年12月閣議決定された無償化の対象は、認可保育所、認可幼稚園、認定こども園を利用する子供及び認可外保育施設を利用する子供のうち、保育の必要性があると認定され認可保育所や認定こども園を利用できていない子供とされており、この対象条件となれば、認可外保育施設では、同じ施設に通う保護者の中でも利用料負担に差が生じてしまうほか、実践している特色のある幼児教育や保育内容に賛同しても、負担額に大きな差が生じることから認可園を選択する可能性があり、結果、運営が厳しくなるおそれがあるというものでした。
その後、国に対しぜひ現場の声を届けたいとの相談を受けまして、9月21日に、いずれも信州やまほいく認定園であります安曇野市の野外保育森の子、同じく自由保育所ひかりの子、伊那市の山の遊び舎はらぺこのそれぞれ園長先生と保護者、森の幼稚園全国ネットワーク連盟事務局と県の県民文化部の方にも同行いただき、当時の松山少子化対策担当大臣、文部科学省及び厚生労働省へ要望書を提出してきました。その際、大臣からは、制度設計に当たっては知恵を出していきたいとの発言がありました。全ての認可外保育施設でということではなく、少なくとも長野県の信州型自然保育認定制度のように都道府県が認めた施設は無償化の対象としていただきたいと思います。
県としては、ことし4月、鳥取県と広島県とともに森と自然の育ちと学び自治体ネットワークを設立し、5月にはネットワークを代表して阿部知事みずからが当時の人づくり革命担当大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣及び少子化対策担当大臣に対して、地方自治体が認定した自然保育を行う認可外保育施設も無償化の対象とするよう要望書を提出されておりますが、国の制度が確定されるまで県としては引き続きどのような取り組みをされていかれるのでしょうか。先ほどの大臣の発言の一方、文科省、厚労省からは、ハードルの低い規制の中で運営している施設を認可施設と同等に扱うことは考えにくく、逆にハードルの低い規制で認定した県で補助すべきであるとの発言があり、難しい現実を突きつけられました。全ての子供たちにという当初の安倍首相の言葉からすれば、対象施設かどうかではなく、子供たちを第一に考えるべきであります。まずは国の制度の対象となるよう取り組んでいくことが最優先ですが、仮に今後国の制度対象から外れた場合、竹内議員の代表質問では何らかの支援が必要と答弁されましたが、具体的に信州やまほいく認定の認可外保育施設を利用する無償化対象外の子供たちを県独自で無償となるよう補助ができないでしょうか。
今回、要望活動では、参加された保護者がみずから製作したPR動画で施設の現状を紹介しており、この動画はSNSなどで発信されております。別の保護者は、自然の中で、そして信州で子育てをしたいと移住された方でした。移住検討の際、どんな情報も得ることができる現在にあっても、まだまだ情報は少なく、保育施設の状況や保育内容を把握、実感することは難しかったとのことでした。県は、現在もポータルサイト「信州やまほいくの郷」での発信等をされておりますが、自然保育の情報の発信、提供の現状、今後のさらなる取り組みのお考えをお聞きします。
先生の目が死んでいる。少々過激ではありますが、意見交換会での別の保護者の方からの発言はかなりのインパクトがありました。この意見に続き、保護者や現役教員から教育現場の現状が訴えられました。しかしながら、どの意見も決して先生方を批判し、攻撃するものではなく、心身ともに過酷な先生方の現状を心配したものでした。この際、知事からは、直接教員の皆さんと膝を突き合わせて話をする機会が必要である旨の発言がありましたが、今後実際に教員との懇談会を開催するお考えはありますでしょうか。お聞かせください。
教育、子育てに関連いたしまして、まず、信州型自然保育の幼児教育無償化との関係について御質問いただきました。
信州型自然保育信州やまほいく認定園152園のうち認可外保育施設であります10園を利用する御家庭にとりましては、この認可、認可外というところで線引きをされますと、無償化の対象外になってしまう可能性があります。寺沢議員の御質問の中にも言及いただきましたけれども、これまで私ども県としても再三にわたりまして松山内閣府特命担当大臣を初め関係省庁に要望を強くしてきております。認可外保育施設を無償化にするかどうかという議論、私はどうも国レベルの議論は都市部の待機児童問題のほうにばかり意識がいってしまっているんじゃないかというふうに思っております。むしろ学びの場、子育ての場を多様化していくという観点がないのではないかというふうに思っております。こうした趣旨は、我々も再三述べてきているわけでありますけれども、やはり引き続きこうした地域の現状、問題意識は伝え続けていくということが重要だというふうに思っております。
今月22日に森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク設立総会を東京で開催いたします。全国から107の自治体が参加する予定になっておりますので、この場でも私が今申し上げたような本県の問題意識を発信し、ぜひ共有したいというふうに思いますし、また、国に対しましても引き続き長野県としてしっかり問題提起を行っていきたいというふうに思っております。
それから、独自の無償化への取り組みという御質問でございます。
私といたしましては、長野県の特色を生かした信州やまほいく、子供たちが幼児期を自然の中で過ごすということは、その子供たち一人一人にとっても有意義な経験、体験の場にもなり得るというふうに思っておりますので、このやまほいくが発展するようにこれからもしっかりと取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
そういう意味で、まずは今申し上げたように国に対してこうした地域の取り組みにもしっかりと目を向けてもらうように要請をしてまいります。ただ、国が余りにも発想の転換がなされないようであれば、これは我々も何らかの対応を考えなければいけないということはこれまでも御答弁申し上げてきたところであります。具体的にどういう支援策が必要なのかということについては、これは信州やまほいくを実際にされていらっしゃる方々の御意見だったり、あるいはまさに国が具体的な制度設計をこれから行っていくわけでありますので、そうした動向も見きわめながら検討を行っていきたいと考えております。
それから、自然保育の情報発信についてであります。
これも質問で言及いただきましたが、「信州やまほいくの郷」は非常にいいホームページがつくられているなと私は思っております。各施設の自然保育の活動を日々掲載し、生きた情報発信を行っているところであります。また、この3月には試行的ではありますけれども、インターネットで長野県、幼稚園というようなキーワードで検索した場合にポータルサイトの案内が表示できるような広告も行ったところであります。
また、県外の方に対しましては、移住、交流の取り組みと連携していくことが重要だというふうに考えておりますので、楽園信州移住セミナーであったり、あるいは日本創生のための将来世代応援知事同盟として毎年開催しております「いいね!地方の暮らしフェア」、こうした場におきまして自然保育の取り組みを紹介してきているところであります。
今後でありますけれども、引き続き県民の皆様方向けにも広くこの自然保育の有用性を知っていただく必要があると思いますので、自然保育セミナーの開催や子育て情報誌への情報提供を行って、県民の皆様方にもしっかりお伝えしていきたいと思います。また、県外に対しましても、これは長野県の特色としてしっかり発信をしていきたいというふうに思っております。
今回総会を開きます森と自然の育ちと学び自治体ネットワークの活動の内容としても、この自然保育、自然教育の認知度を高めるための情報発信ということを位置づけさせていただいておりますので、他の自治体とも連携して取り組んでまいりたいと思います。まず、この総会時には記念シンポジウムを開催いたしますので、できるだけ多くのメディアに取り上げていただけるように努力をしていきたいと思っております。
それから、最後に教員との懇談会の開催という御質問でございます。
私も、学びの県づくりを進めていきたいということを申し上げてきております。学びの県づくりを進めていく上では、実際に学校現場で子供たちと向き合っている先生方の思いや考えは大変重要だというふうに思っております。そういう観点で、例えば、先日も全国総文祭の実行委員会の開催式で、参加された学校の先生といろいろお話をさせていただいたりしておりますけれども、今後移動知事室等で現場に出ていく機会もふやしてまいります。学校の先生方と直接話す機会を1回に限らず複数回にわたってつくって、学校現場の現状あるいは先生方の悩みやビジョン、こうしたものを共有していきたいと考えております。
以上です。
無償化制度については引き続きの取り組みをお願いいたします。
どんなことがあっても生徒の前では笑顔でいようと思っていると若い教員の方から、夫は自分の子供のことよりも学校の子供のことのほうに一生懸命だと教員の奥様から発言がありました。全ての教員の皆さんが心からの笑顔で子供たちと向き合うことができますよう今後の取り組みに期待をいたしまして、私からの一切の質問を終わります。ありがとうございました。